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みずいぼ

症例写真

 みずいぼは、伝染性軟属腫ウイルスによって人から人へうつる、7歳以下の子どもに多い皮膚の感染症です。皮膚が薄くてバリア機能の未熟な乳幼児は、まだ免疫もなく感染し易いのです。みずいぼと呼ばれるのは、水っぽい光沢があり、いぼ状に出っ張っているからなのですが、中身は液体ではなく、モルスクム小体というウイルスと変性した表皮組織からなる白っぽい塊です。みずいぼは掻いてつぶれたり、掻かなくてもある程度の寿命で自然に脱落して、それがまた他の皮膚にくっついてその場所に感染し、次々と広がってしまうことが多いのです。1個できれば、その近くに数個増え、または引っ掻いた指で触わると遠くの皮膚にも感染し、次々と増えてきます。

 治療は、数が少ないうちに摘み取るのが最も確実で早く治す方法です。トラコーマ摂子という、先が輪になったみずいぼ専用の器具でみずいぼの基部を挟み、中身のモルスクム小体をつまみ取ります。多少の痛みはあるものの、10個以内くらいなら小さい子どもでも我慢できる事が多いです。しかし何十個となると、もう我慢できず嫌がって泣き抵抗します。無理やり取ると、次からは絶対に容易には取らせてくれず、数人で押さえて取らなければならなくなり、お互いに汗まみれで大変な労力を要することになります。健康な子どもでは、6ヵ月~3年で自然治癒するとされていますが、個人差が大きくその患児がいつ治るかを予測することは困難です。特に、アトピー性皮膚炎の子どもは、いったん感染すると湿疹を掻くのと一緒に掻いてしまって、全身に無数に増えて広がりやすいのです。また、ステロイドを塗るとみずいぼが増加しますので、アトピー性皮膚炎の治療が適切にできなくなってしまうというデメリットもあります。

 取る痛みを軽減するために、局所麻酔入りのクリームやテープを貼っておいてから取る方法があります。特に、麻酔入りテープ剤は、平成24年から保険の適応が認められ、処置の1時間くらい前に貼っておいてから摘み取ると痛みを軽くして治療できます。しかし、痛みよりも抑えられたり処置台に寝かせられる恐怖心から抵抗する子どもに対しては何の効果もありません。

 子どもを泣かせてまでみずいぼを取るべきかについては、以前から論争の的になってきました。取るメリットは、他への感染源になる、プールに入れてもらえない、見た目でいじめられる、などの問題を解決することにあります。やはり、数が少ないうちに見つけ次第早く取ることが適切と思われます。数十個以上できてしまっていたら、たとえ時間がかかっても1回に10個ずつと約束して根気よく取るようにすれば、いずれは完治します。

 みずいぼの予防法としては、ドライスキンやアトピー性皮膚炎のようなバリア機能が破たんしている状態をできるだけ改善しておくことです。すなわち保湿剤によるスキンケアと、湿疹の治療をきちんと行うことです。また、スイミングスクールなどへ通う子供は、消毒のための塩素によって皮膚表面が脱脂され感染しやすくなるため、プール後の保湿も大切です。また、兄弟や身近な友達が感染した場合、入浴やタオルを別にし、直接肌と肌を接触させないように注意しましょう。



学校保健委員会から

皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解(2013.05.22)
皮膚の学校感染症に関する統一見解 (2010.11.17)

学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解

お子さんとその保護者さん、
ならびに保育園・幼稚園・学校の先生方へ

皮膚の学校感染症について

 プールに入ってもいいの?

1) 伝染性膿痂疹(とびひ)

かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止して下さい。

2) 伝染性軟属腫(みずいぼ)

 プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

3) 頭虱(あたまじらみ)

 アタマジラミが感染しても、治療を始めればプールに入って構いません。ただし、タオル、ヘアブラシ、水泳帽などの貸し借りはやめましょう。

4) 疥癬(かいせん)

 肌と肌の接触でうつります。ごくまれに衣類、寝床、タオルなどを介してうつることがありますが、プールの水ではうつることはありませんので、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、角化型疥癬の場合は、通常の疥癬と比べ非常に感染力が強いので、外出自体を控える必要があります。

平成25年5月

日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会

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学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症に関する統一見解

お子さんとその保護者さんへ

皮膚の学校感染症について

 保育園・幼稚園・学校へ行ってもよいか? 休まなければならないか?

1) 手足口病

 手足の水ぶくれが消えて、口内炎が治っても、便の中には原因のウイルスが長い間出てきます。トイレで用を済ませた後は手洗いをきちんとしましょう。
 口内の発疹で食事がとりにくい、発熱、体がだるい、下痢、頭痛などの症状がなければ、学校を休む必要はありません。

2) 伝染性紅斑(りんご病)

 顔が赤くなり、腕や腿、体に発疹が出たときには、すでにうつる力が弱まっていることから、発熱、関節痛などの症状がなく、本人が元気であれば、学校を休む必要はありません。
 また、いったん消えた発疹は日光に当たったり、興奮したり、入浴後などに再び出てくることがありますが、これらは再発ではありませんので心配いりません。

3) 頭虱(あたまじらみ)

 互いに触れ合って遊ぶ機会の多い幼児・小児には最近ではよく発生します。発生した場合はその周囲がみんな一斉に治療を始めることが大切です。頭虱は決して不潔だから感染したのではありません。 頭虱だからと差別扱いしてはいけません。
 学校を休む必要はありませんが、できるだけ早く治療を受けてください。

4) 伝染性軟属腫(みずいぼ)

 幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。
 プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために、学校を休む必要はありません。

5) 伝染性膿痂疹(とびひ)

 水ぶくれや糜爛(びらん)からの浸出液を触ったり、引っ掻いたりすると、中の細菌で次々にうつります。特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらないようにしましょう。
 病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は学校を休んでの治療を必要とすることがありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません

平成22年7月

日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会・日本小児感染症学会

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